パニック障害について

 

軽度発達障害児のパニック障害について、私の経験から話させていただきます。私自身、高機能自閉症の自己診断を行った場合、当てはまる要因が多数あり、また今までの経験上、その障害について理解できるところが多数あるのです。その一つにパニック障害があげられます。ただ、私自身が今まで大きなパニックになることはなく、単に自分の中での驚きのみに留めたり、この状態を続けていくことが自分のパニックに陥れると判断できたため、特に大きな問題になることはほとんどありませんでした。子供たちの中にも、このように時には自分自身を制御できる場合もあり得ると思いますが、私自身の心をそのように制御しているときにふと思いついたことがあったのです。

パニック障害の一つに大きな音に対する反応というものがあります。それは、自分の予期しなっかった音に対して突然パニックに陥るということです。音は誰の周りにもあふれており、時には誰もがびっくりするような音に出くわすときがあります。しかし、普通の人たちは、ある程度音を自分の耳で抑制し、突然大きな音が鳴っても耳自身が反応しないようにできあがっているようです。それは、町中に音が氾濫していても自分の判断で目の前にいる人と話ができるように耳と脳で調整することと同じです。このことにより、一般に人はどんなところでも自分の希望する音を強調して聞くことができ、多少にぎやかなところでも友人などと話ができるのです。

しかし、この耳と脳に障害が起き、どの音も同じように聞こえてきたらどうなるでしょうか?町中にテープレコーダーを置き録音スイッチを入れてみると、テープは周りの音すべてを同じように録音します。テープレコーダーがどの音を強調して録音しようとは判断しません。そのことにより、後でそのテープを聞き返すと、とても聞き取りにくい録音になっていると思います。

実は、このテープで録音された状況と同じことが軽度発達障害児の頭の中で起こっていると考えたらどうでしょうか?人の声も周りの音も同じように聞こえてしまう、そしてその中に突然大きな音が入ってきたら・・・・・誰もが驚き何も考えられなくなる時もあるのではないでしょうか?

実際、私も音を聞き取ることが苦手です。じっくり聞けば音の判断はできるのですが、何かを聞きながら他のことをするという、いわゆるながら勉強などはできません。集中したいときは、できるだけ音のないところでしたいと思います。また、テレビのニュースなどじっくり聞きたいときには、周りで音がしていると聞き取れないことも多いので、どうしてもテレビの音量などを大きくしてしまいます。たとえ周りの音が小さくても、やはり耳に入ってしまうのです。

私も気になって耳鼻科に検診に行ったこともあります。検査の結果は、耳に障害はありませんでした。小さな音もちゃんと聞こえます。でも、そこが問題なのかもしれません。小さな音まで聞こえるということは、周りの騒音が、たとえ騒音と言うほどの物でなくても聞こえてしまうのです。むしろ感度のいい、いや、良すぎるマイクで聞いているような物なのです。意識的に、また、一般の人が行っているような無意識に、自分にとって必要のない音をシャットアウトできないのです。

子供さんや周りの方で、耳が遠いわけでもないのにテレビの音を大きくしてしまう、また、じっくり話を聞けないという方はみえませんか?もしかしたら私と同じようにいろんな音が入ってきてしまうことがあるのかもしれません。話をするときには、できるだけ周りの音が聞こえないようにするなどちょっと工夫してみてはいかがでしょう。もしかしたらそれが直接パニック障害に繋がらなくても、聞き取りにくくて理解できないということがあるのかもしれませんよ。

ただ、これは私自身の経験から言うと、どうしてもと言うときに意識を集中させれば、聞き取ることや聞きながら考えることは訓練でできるようです。今の私は無意識に聞き取ることは相変わらず難しいですが、意識を集中させて聞き取ることはできるようになってきています。時々面談などでどうしても周りに音のする場所で行うこともありますが、その時の私は相手の方のお話しに全神経を集中させます。そうすることで、できるだけ的確な判断を行おうとするのです。簡単な方法ではありませんが、誰でも本人がやろうと思えばできると思います。

どんなことでも、本人次第。自分から変わろう、何とかしようと思わなければ、周りだけ頑張っても仕方ないんですよね。

まず、自分自身の意識を変えていきましょう。
自分がそうなろうと思えば大丈夫、できるんだよ。

 

 

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